『ニット』
『ニット』
「どうしたの?スーツなんか着て」
口の悪い(笑)お客さんから言われることがある
ジャケパンスタイルが多いからだけど、実はジャケットすら着ていないこともあり、かなりカジュアルな服装で店にいることがある
(もちろん、パンツやシャツ等、自ら仕立てたものを必ず着ているけど)
個人的に、ニットなんか結構好き
自分では作れないということが、かえって興味を引くのと、学卒で就職したのが、当時ニット専門のアパレルメーカーだったから
ピエール カルダン等のライセンス製品を作っていた
メンズ部門の営業として、都内の専門店を担当していた自分が行くのは、いわゆる洋品店
シャツ、パンツ、ニット等、単品のアイテムを扱う店だ
中でもニットやカットソーは中心アイテムで、ワールドやライカといった国内メーカーによる、デザイン性に富んだセーターやカーディガンが、店内に溢れていた
その中で自社の製品は、良く言えばシック、言い換えれば地味? だが、阿蘇の自社工場で織られるニットのクオリティーは日本一!のプライドだった
約一ヶ月の工場研修は、糸の種類から編み方まで、製作の全てを叩き込まれ、最後はセーターを一着、自分で作って卒業
お陰で、今でも服地よりニットの方が目が利く(?)
今では殆ど着ることはないが、数点、当時の製品が手元にある
黒のVネックセーターは、モヘア混ウール
ダイア柄のジャカードが当時の雰囲気
もう一つは、他社製品だが今でも現役
「ムッシュ ニコル」のカーディガンジャケット
袖口のギザギザカットが面白くて購入した記憶が
バブル景気&DCブランド全盛の頃か
カジュアル好きなテーラーの、思い出話しでした