ボルサリーノ

93c5a6cd.jpg

久しぶりに見たよ、自分のブログ・・・・って

半年以上、更新していないにも関わらず、結構、訪ねてくれる人がいて、大変申し訳ない思い。

また滞るかもしれないが、再開してみました。

先日、客さんがこんな事を言っていた。

「あるテーラーでジャケットを注文したけど、イマイチだった。
とても忙しくいらしく、あまり話を聞いてもらえなかった。」

このお客さんは、腕の上げ下げに敏感な方で、ウチでも、袖付け部分の補正を念入りに行っている。

テーラーは、「大丈夫ですよ」と言ってたらしいが、きちんと把握出来なかったようだ。

まあ、テーラーによって考え方、アプローチ方法は違うので、たまたま合わなかっただけかもしれないが、
気になるのは、お客さんが、ちゃんと聞いてもらえなかった、と感じていること。

他人の商売に口を挟む気も、権利もないけど、テーラーとして、これはあまりいただけない。

”BESPOKE”と謳うように、テーラーの仕事の第一は、顧客の話を聞くこと。

”在るモノ”を売っているのではなく、”これから作る”仕事においては、
これがスタートであり、また全てといっても過言ではない。

入念に打ち合わせをして、最善を尽くしても、満足して頂けないこともある。
それを考えると、お客さんに、聞いてもらえなかったと感じさせるのは、テーラーの責任だろう。

商売である以上、多くのお客さんに来てもらって、忙しい方がいいのは当たり前。
ただ、本来、時間と手間がかかるオーダーは、キャパを超えると仕事が雑になる。

幸い(?)なことに、今のところウチは、キャパを超えてはいないので、
お客さんの話を、十分に聞くことは出来ていると思う。
(理解できてるかどうかは、また別の話)

この先、キャパを超えるほど忙しくなった時(なるのか?)、この話を思い出そう。

写真は、帽子マニアのお客さんから頂いたボルサリーノ。

とても気に入ってるのだが、なかなか合わせるのが難しく、コーディネートを思案中。

こんなことを楽しみながら、仕事が出来る位のペースが良いな・・・・

Bespoke Tailor Since1993 WILBEE